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京都

 京都は山縣有朋の別荘(無隣庵)がある。
これは有朋公が例によって自ら造園に当たった、1000坪近い庭が素晴らしいことで知られる。
明治29(1896)年12月に完成した。
そこを訪れてから知恩院に立寄り、父親の墓参りをしてきた。
夕食はグランヴィア京都の(ラ・リサータ)―イタリアンにする。
これがまた直感が的中して、食材を十二分に活かした料理を出してくれた。
 コース料理を賞味しながら赤ワインを楽しむ。
チーフと会話を交わすようになり、それがどんどん弾んでゆく。
独りでの旅の場合には、そうした会話がないと実に味気なくなってしまう。
外地を旅したときは、必ず現地の言葉を使用して習得機会としたものである。
京都では「京言葉」とはゆかないので、ともかく料理に話題が集中する。
独りの客に気遣いを示してくれる上に、さりげなく情報に触れられた。
本夕もまた大当たりだった。

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食ー素晴らしい地理的条件

 萩は近くの漁港に上がる魚介類が入ってくるから新鮮である。
大きな漁港がない点、どんな魚が入荷されているのか、そのあたりも楽しみだった。
また肉のほうも沖合いの島で飼育されている月島牛という、ブランド牛が存在しており、
素晴らしい地理的条件を備えた地なのだ。
萩を訪れたらそうした情報を活かして、ぜひ旅の楽しみを満喫して頂きたい。

YEBISU

 夕食は東萩駅前のビジネスホテルの下(2階)にある、〈だいにんぐ まめた〉に出かけた。生ビールが(えびす)なので、テイストのほうはハイレベルだと察しがついた。
その期待通りに、魚料理も肉料理も文句なかった。
値段もリーズナブルなので、旅行者にとって嬉しいことこの上ない。
相した店を探し出す嗅覚は昔から国の内外を殆ど単独で旅した経験がやはりモノを言う。

幕末の萩

 もし高杉新作や久坂元瑞が無事に明治維新政府誕生まで生きていたら、
伊藤博文や山縣有朋も大きな顔が出来ていなかった。
それほど人材の層が厚かったのである。
高杉や久坂は松下村塾の双璧といわれていたから、けだし当然だと誰もが思う。
萩出身の首相は4人だが、もし彼らが存命だとしたら、あと2人は出ていたことだろう。
それほど幕末のこの地には人材が豊富だったのだ。

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松下村塾

中流以上の武士の子達は、藩校である明倫館で教育を受けた。
ここは敷地1万5000坪に建坪1万坪という、堂々たる規模の教育機関であった。
しかしながら幕末から維新、そして明治新政府の人材を眺めると、大半が2部屋だけの松下村塾出身者だから
皮肉な話だ。高杉晋作、久坂元瑞、前原一誠、木戸孝允、伊藤博文そして山県有朋だからすごい。
しかも吉田松陰が直接指導に当たったのは、たった1年ほどでしかなかった。

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健脚であることの大切さ

 私は第一日目に3時間で8000歩、2日目に6時間余りで2万歩、3日目は5時間で1万4000歩を記録した。
このため4日目の京都でも歩くのが習慣となり、3時間余りで1万歩を歩いた。
日常ではこれほど歩くことがないので、流石に1万5000歩を超えると足が重くなったが、
これは常日頃の運動不足を物語っているだろう。
映画〈七人の侍〉の千秋実の台詞で、「動けなくなったら終わり」は戦場での真理である。

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萩の市街

 阿武川の生み出した三角州――そこに発展したのが萩の市街である。
三角州と言うより四辺形の出来損ないといった形状だが、
大きい1辺が2,5km、小さいほうが2キロメートルほどだから、
少し脚の丈夫な人なら徒歩だけで観光も可能だ。
自信のない人でも最遠隔の目的地までタクシーかバスで直行し、
そこから宿まで戻りつつ観光と言う術が考えられるだろう。
何しろすべてが指呼の間に位置していると言える。

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山県有朋の誕生地を訪ねる

 山縣有朋の誕生地は、橋本川の岬―橋本橋に近く、下級武士の家らしい小さな敷地だった。
そして中央公園に出かけると、そこには北村西望作の有朋公の銅像がある。
1973年の文化勲章を授与された彫刻家の作品だけに、その出来栄えたるや出色のものがあり、
このため戦時中の金属供出や戦後のGHQの目からも逃れたのだ。
残念なことには地元の人たちがさほど関心がなく、こちらが説明してあげると、
初めて驚くの繰り返しであった。


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取材旅行

山縣有朋の足跡をたどって萩を訪れた。
何しろ歴史の町である。高杉晋作の生家の直ぐ近くに田中義一び生家、と言った具合だ。
松下村塾の近くに伊藤博文が移り住んだ家があり、少し歩けば松田松陰の誕生地、
そして山田顕義の誕生地、といった具合だから驚く。
例によって私の行くところ晴天また晴天だから、ありがたいことこの上ない。
カメラ片手にショルダーバックを肩にして、3日にわたりひたすら歩いた。

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