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ローマ・コイン――見事な実在の人物の肖像

 ローマ期は共和政末期から、実在の人物の肖像を描いてきた。これは既にギリシア期エジプトのプトレマイオス1世(B.C.323-285)以来、ときおり見られるようになったが、それが本格化したのは帝政に入ってからだった。
 共和政末期ではB.C.44年のカエサル追悼記念ドゥポンディウス青銅貨が知られる。ここにはのちのローマ初代皇帝アウグストゥス(オクタヴィアヌス)、あるいは小ポンペイウスなどの顔も見られる。
 アウグストゥスは即位すると、デナリウス銀貨などに肖像を描かせたが、彼は貨幣刻印師に命じて理想化させた。このため初代皇帝については、肖像の顔を信じない方が良い。しかしながら第2代皇帝のティベリウス以降、多くの皇帝の肖像について、後世に面影を伝えていると考えられる。ローマの貨幣は、アウレウス金貨、デナリウス銀貨、セステルティウスやアース青銅貨などが主なものだ。とりわけセステルティウス青銅貨は、初期から中期にかけて直径が35mm近くあるため、手にして重厚さを感じさせる。もちろんグレードさえ良好なら、より小型の金貨や銀貨に描かれた肖像も、私たちを十二分に満足させてくれる。
 グレコ・ローマン文化は現在の欧米の基礎だけに、その人気は極めて根強いものがある。だからギリシアやローマ期のコインを蒐集するコレクターが極めて多く、資産としての受皿は歴史の深さが違うのだ。
 私はローマ皇帝の肖像を描くセステルティウス青銅貨を39種、コレクションしたことがあった。急に換金の必要が生じたとき、かなり有利な条件で短時間のうちに買手が見つかり、大いに喜んだ記憶がある。
(個別のコインについては稿を改めたい)
デナリウスインフレヘッジ 4 ローマ(共和政)デナリウス銀貨 カエサルの肖像を描いた名品
デナリウス銀貨 カエサルの肖像を描いた名品

ローマ帝国初期 セステルティウス青銅貨 カリグラ帝の美しい肖像
ローマ帝国初期 セステルティウス青銅貨 カリグラ帝の美しい肖像

インフレヘッジ 4 ローマ帝国アウレウス金貨 アレクサンデル・セウェルス(222-235) 円形闘技場を描く
ローマ帝国アウレウス金貨 アレクサンデル・セウェルス(222-235) 円形闘技場を描く

インフレヘッジ 4 ハドリアヌス帝のセステルティウス青銅貨。この程度のグレードは欲しい。

 ハドリアヌス帝のセステルティウス青銅貨。この程度のグレードは欲しい

 トラヤヌスの見事な肖像と裏面は皇帝の軍旗親授式典。セステルティウス青銅貨
トラヤヌスの見事な肖像と裏面は皇帝の軍旗親授式典。セステルティウス青銅貨

「ローマの貴婦人」と称されたアグリッピナ。アウグストゥスの孫でゲルマニクスの妻 この肖像でも判るとおり、クレオパトラとは較べものにならない美女であった。.
「ローマの貴婦人」と称されたアグリッピナ。アウグストゥスの孫でゲルマニクスの妻 この肖像でも判るとおり、クレオパトラとは較べものにならない美女であった。.
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古代の芸術品ーギリシア・コイン

古代のコインはその殆どが、まだ温かく柔らかい金属の塊をハンマーで打刻する、という方法で製造された。このため一つひとつが微妙な違いを有しており、味のある出来栄えを示すのである。
 ギリシア期のコインで素晴らしいものが見いだせる都市国家は、経済的な先進国だと考えてよい。その証拠に、軍事国家のスパルタは、全く貨幣経済が存在していなかった。
 経済の発展していたアッティカ(アテナイ)をはじめ、シラクサ、カルタゴ、マケドニアなどが、競って素晴らしい貴金属コインを流通させたのだ。けれど立派な金貨や銀貨については、都市国家内の大口取引などはわずかであり、その多くは国外との交易決済に用いられたのであった。
 このためアッティカのアテナとフクロウ、シラクサのアレトゥサとクァドリガ(4頭立2輪戦車)、カルタゴのタニットと馬、マケドニアのヘラクレスとゼウス、といった具合に象徴が多くの場合に描かれた。つまりコインを目にしただけで、何処の都市国家のものか一目瞭然だったのである。
 マケドニアがアレクサンドロス3世の早い死により、帝国解体という事態を招くと、その版図はマケドニア本国以外に、シリア、エジプト、バクトリアなどに分かれた。これらは新しい為政者の下で、彼らの肖像を描く、量目が16から17グラムのテトラドラクマ銀貨を流通させた。
 こうしたギリシア期のコインは、スターテル金貨、デカ(10)ドラクマやテトラ(4)ドラクマ銀貨などが対象となる。これらは単なる貨幣という経済手段だけでなく、どれも素晴らしい芸術品と言って良い。それを個人の所有として座右におけることは、コインならではの幸運だろう。これは同時に高い資産価値を有しているのを意味する。
(個別のコインについては稿を改めたい)
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7月13日土曜日 書信館主催講演会

7月13日に品川インターシティにて講演しました。
暑い中多くの方に足を運んでもらい、熱心に耳を傾けていただき嬉しい限りです。

内容は「ナポレオン一族の貨幣発行」についてでした。
この講演会でお話しさせていただいた内容についても今後ブログにて発信していこうと思っております

あっと驚くイタリア王国の大型銀貨

インフレ2 伊5リレ銀貨ヴィットリヨエマヌエレ3世.jpg


イタリア 5リレ銀貨 1914年
ヴィットリヨ・エマヌエレ3世
27万枚以上発行されながら、既に100万円を超えた芸術味豊かな逸品
直径37mm 量目25g
 

イタリア王国はサルディニアが全土を統一して成立したが、1861年以前はサルディニア島に拠る小国だった。1816年に早くもラテン貨幣同盟の標準規格――大型銀貨が量目25グラムの5リレ銀貨を発行している。
 王国成立直後の1861年の5リレ銀貨は、表情の険しいヴィットリヨ・エマヌエレ2世の肖像を描くが、グレードの良好のものは珍しくなった。肖像が小さくなったタイプや、次のウンベルト1世にも、特別な年号が存在する。
 貨幣研究家のヴィットリヨ・エマヌエレ3世(1900-45)が即位した直後、1901年にとんでもない大珍品が出現したのである。それは国王の右肖像を描くタイプの5リレ銀貨で、わずか114枚だけ製造された。裏面の鷲の紋章は、2年後に金貨でも用いられるようになったが、何しろ見事なもので世界の近代コインの傑作中の傑作である。
この5リレ銀貨は稀少性も100リレ金貨より高いことから、評価も2倍以上の差が生じている。金貨が左肖像である以外は大きな違いがなく、鷲の紋章タイプの大型銀貨と大型金貨が揃うと、それこそ壮観極まりないコレクションと言えよう。
 1911年の〈王国50年〉記念5リレ銀貨は平凡だが、14年の通常タイプの5リレ銀貨の稀少性は極端に高い。これは発行数が27万3000枚と多く、普通ならさして高い評価を受けないと思われる。表面に大礼服姿の国王を描くが、裏面のクァドリガ――4頭立2輪戦車はギリシア期シラクサの銀貨を彷彿とさせられる素晴らしさだ。
 1911年の記念5リレ銀貨が発行数6万枚にもかかわらず、評価が5分の1以下だから、14年の5リレ銀貨の珍品化は七不思議と言えるだろう。01年の5リレ銀貨とともに、資産価値の大きな存在である。もちろん世界の名品の1枚と断言してよい。

イタリア王国の素晴らしい大型金貨

(小)インフレ2 伊100リレ金貨1912年 ヴィットリヨ・エマヌエレ3世



イタリア100リレ金貨1910~1912 ヴィットリヨ・エマヌエレ3世
のち26年と27年に製造したが、40枚と30枚という僅少に終わった。
直径35mm  量目32.258g


インフレヘッジ1イタリア100リレ金貨 1925年
 
イタリア100リレ金貨 1925年 治世25年記念
オリンピックのゴールドメダルより遥かに出来栄えが素晴らしい
直径35mm  量目32.258g


イタリアは小邦分立の時代が長いうえ、神聖ローマ帝国の支配下に置かれた地域も多かった。けれど、ヴェネツィア、ナポリ・シチリア、それにサルディニアなどは、独自の素晴らしい大型の金貨を流通させていた。 
 1861年にサルディニアによる統一が達成されると、以前のような80リレ金貨でなく、ラテン貨幣同盟仕様の100リレ金貨を発行するようになった。イタリア国王としてのヴィットリヨ・エマヌエレ2世(1861-78)の100リレ金貨は、どれもが1000枚以下の発行数で珍しい。続くウンベルト1世(1878―1900)のタイプの方が比較的入手が容易と言える。
 貨幣研究家として知られるヴィットリヨ・エマヌエレ3世(1900-45)は、流石に素晴らしいコインを多く世に出したが、大型金貨も卓越したデザインの4種が見られる。1903年と05年の100リレ金貨など、裏面の鷲の紋章が実に見事で、とりわけ羽の広がり具合に目を奪われる。
 1910年からの100リレ金貨は、王の肖像が軍服姿で興味深く、これだけが近代的な雰囲気を有する。
23年の《ファシスト政権1周年》記念100リレ金貨は、裏面に古代ローマの執政官の権威の象徴‐束桿と斧が描かれ、いかにもイタリアらしいコインだ。25年の《治世25年・大戦突入10周年》記念100リレ金貨は、第2次世界大戦以前のオリンピックの金メダルを彷彿とさせるデザインで、マットプルーフのフィールドが素晴らしい。
 ここに紹介したコインはどれもが珍しく、発行数も23年だけが2万枚とやや多い以外、次に多いのが25年の5000枚である。揃って資産価値が抜群な上に、人気もまた世界的に極めて高い。イタリアの大型金貨はどの1枚を手にしても、その重厚な手触りに満足感を覚えることであろう。

 
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