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【資産となるコインとは】

今回こちらで記述する内容は「平木啓一の貨幣セミナー」にも掲載してもらったのですが、
こちらのブログでも発信したいと思います。
少し長くなりますが、最後まで読んでいただきたいと思います。

【資産となるコインとは】

アンティークコインはその殆どが資産たりうる。
40年前に地銀価値しかなかった、仏領インドシナのピアストル銀貨も、
いまでは未使用なら並年号でも300ドルしている。
やはり長い年月のあいだには、化けることがあるのだ。
けれども最も確実だと思われるゴールド――金地金タイプの金貨でも、
とんでもない事態を生じるから油断できない。
金地金価格で考えると1981年1月には4,231,700円だったものが、
2014年8月に4,280,000円といった具合でほとんど変化がなかったのである。
33年の歳月を考えると、貨幣価値の下落分だけ損したことになる。
その時点での地金型金貨は、アメリカの20ドル金貨が159,160円、
メキシコの50ペソ金貨が175,674円だからこれまた33年を考えると損をしてしまっている。
こうした例を見ても、金貨なら間違いないのではという、漠然とした考えではダメだと言えるだろう。
やはり歴史的背景を有するアンティーク・コインという条件が不可欠なのだ。
それでは同じコインでも、どういった観点から選ぶべきであろうか。
第1には、通常シリーズなら年号である。フランスのナポレオン3世の100フラン金貨の場合、
なんていっても1870年銘のものが凄い。
発行数が1万枚とシリーズで決して少なくないがこの年にナポレオン3世が失脚したこともあり、
何しろ市場で見かけない。

私も過去52年間に3枚しか目にしていないから、こういった逸品は手にしておいて間違いないと思う。

.Napoleon III gold 100 Francs 1870-A AU53 NGC ナポレオン3世1870年AU53 ドル12337500

フランス100フラン金貨 ナポレオン3世 1870年 AU53
2014年現在市場取引価格 推定1270万円~

額面が大きく、製造数が僅少な金貨――イギリスの5ギニー金貨とか、神聖ローマ帝国の版図での10ドュカット金貨は、1枚だけ持っていても貴重な資産と言える。
200年あるいは300年以上の歴史を有しているから、価値が大きく下落する危険性

HUNGARY10 DucatND (1645-90) Kremnitz Mint 2 HUNGARY10 DucatND (1645-90) Kremnitz Mint 2



ハンガリー 10ドュカット金貨 ND(1645-90)
直径46ミリ 量目35グラム

イギリスには1800年代に入ると、5ポンド金貨が新たに登場するが、ここにも<ウナ&ライオン>のような人気コインが存在している。

400枚も存在しながら、未使用完全品なら今や1000万円コインである。
5ギニー金貨は41.75g、5ポンド金貨は39.94g、10ドュカット金貨は35gと、どれもが大型金貨で見事な出来を示す。
けれど大きいばかりが珍品の条件ではない。
独領ニューギニアの10マルク金貨は、3.982g、20マルク金貨は7.965gという小型金貨でしかない。
しかしながら未使用完全品だと、どちらも500万円近いのだ。
これらは極美品でも200万円からするだろう。
こうした金貨ばかりではなく、大型銀貨もまたそれなりの高評価を受ける。
そこで気を付けなければならないのは、どのコインはどれくらいのグレードで妥協すべきか、それを知っている必要がある。
つまりハイグレードばかり追い求めていると、本当の逸品を見逃してしまうという失敗を犯す。

つまり極美品のアヴェレージで求めていても、美品でいったん押さえておき、
極美品以上が出たとき買い換えるやり方である。
世界最初の完全年号入りの大型銀貨――ティロルの1486年のグルデングロッシェン銀貨は、美品を追っているとまず入手できないだろう。
このコインのおよそのグレードは普通品FINEだから、そこでまず求めるべきなのだ。
美品以上を狙っていたら、いつ入手できるか保証の限りでない。
1700年以前――とりわけ1600年以前のヨーロッパ・コインには素晴らしい大型銀貨が多く見られた。
神聖ローマ帝国とその版図のものがとりわけ優れており、美術工芸品としてみても美しい。これらは資産価値大であるのは言うまでもない。
スペイン領新大陸――ボリビア、チリ、コロンビア、グアテマラ、メキシコ、ペルーなどでは、

1600年代から粗雑な出来のコボ銀貨を世に出したが、この辺りは資産価値の面ではっきり劣る。やはり美的価値を忘れてはならないのである。
私は1500年代のヨーロッパの大型銀貨――その美品以上のものを見つけたら、必ず買っておくべしと助言してきた。
これをずっと続けているが、絶対に間違っていない。400年、500年と経過したコインは、確実に稀少化しているためだ。
多くの人が資産価値を金貨に見出すが、より高度の投資術を伝授したい。
それは誰もが、価値を判断できる金貨でなく、銀貨や銅貨(青銅貨)に見出す、というやり方である。
これならプロのディーラーが見れば価値が判るが、大多数のコインに興味のない人は価値を認識できず、

見過ごしてしまう確率が高い。つまりセーフティーの意味で、この資産保全方法は注目されて良い。
あと薦めたいコインは、歴史的なテーマを有するものだろう。
古代からの英雄や歴史的な物の肖像を描いたタイプは、欧米でも人気が高い。

ハンニバル、カエサル、クレオパトラ7世、マルクス・アントニウス、ネロ、マクシミリアン1世、カール5世、アレッサンドロ・ファルネーゼ、フォン=ヴァレンシュタイン、グスターヴ2世・アドルフ・・・・・・。
そうした人物の肖像コインは、知名度の低い人物や他のデザインのものより、遥かに人気が出る可能性が高い。
ヴィクトリア、エリザベス1世、といった女王たちの肖像を追ってみるのも面白い。ここでは金貨や大型銀貨だけを考えてみよう。
後者の大型銀貨――クラウンやハーフクラウン銀貨が狙い目だろう。
あとは超大型銀貨が面白い。神聖ローマ帝国版図における2ターレル以上の高額面銀貨は、ありふれたタイプでも極美品(EF40)以上なら買っておきたい。
もちろん稀少品なら美品(VF20)でもOKである。何しろ超大型銀貨は稀少だ。
また、実物を手にしたときのずっしりとした重みと、美しさに感動するだろう。
マイナーコインをバカにする人が少なくないが、これは実に奥が深いものがある。
流通市場で頻繁に使用されたから、貴金属貨幣に較べグレードの良好なものが残らなかった。

その上にさほど注目されていないので、誰も手元に残さなかったのだ。
マイナーコインの場合は、グレードが最高でないと意味を持たない。
グレードの低いものならいくらでも存在するからである。
ギリシアの20レプタ銅貨やイオニア諸島の2オボリ銅貨などは、普通品は全く問題にならない。
前者は227万枚、後者は414万枚、という発行数だったからだ。
僅少な発行数で稀少化したコインは、かなりのバラエティが見られる。
それには戦争が一役買うことが多い。
1941年に香港で発行された1セント青銅貨と5セントニッケル貨などは、日本軍に押収熔解されたことにより、現存数が20~30枚となった。
これはマラヤの10セント銀貨、サラワクの1セント青銅貨もまた、こうした例であった。
これら以上の逸品と言われているのが、英領西アフリカの1945年の1ペニー白銅貨であろう。
ジョージ6世の治世下に置いて、エドワード8世の名で製造を開始、8枚から12枚のところで気が付き停止させた、という裏話が伝えられる。


英領 西アフリカ ペニー 1945

英領日アフリカ ペニー 1945年 ジョージ6世(刻まれた名はエドワード8世)

マイナーコインには、2/3ターレル銀貨とか、1/2クラウン銀貨、はたまた1/2ドル銀貨や50セント銀貨なども含まれる。
あるいはそれ以下の額面のものだ。
1900年以前のものに注目すべきだが、その理由はやはり流通市場で殆どが摩耗してしまったことによる。
勿論これらはオークション・アイテムに入る。
私は以前、サラワクについてリサーチしたことがあった。

このとき50セント銀貨のハイグレードのものを探したが、なかなか見つからなかった記憶がある。
このようにありふれたコインでも、マイナ―コインのハイグレードのものは稀少だった。
これまで半世紀以上の経験からして、いざ珍しいコインを探そうとした場合、金貨や大型銀貨は出てくるが、

マイナーコインは簡単には出てこない。
それほど難しい対象である。
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2014年3月7日 [大型銀貨の隆盛]


大型銀貨の隆盛は、ティロルやヨアヒムスタールなどの銀鉱の開発、
そしてアマルガム工法など銀の精錬技術の向上が挙げられる。
これは次の世紀をまたいで、スペイン領新大陸からの莫大な量の銀の流入が拍車をかけた。
この結果としてスペインの50レアル銀貨に始まり、ブラウンシュヴァイクの一連の超大型銀貨となってゆく。
折からの30年戦争がインフレーションの大きな一因ともなり、
ヨーロッパ流通市場に銀支配の時代をもたらすのである。

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2月9日 エジプトコイン

エジプトコイン
とりわけ注目を集めているエジプトのコインは、デラックス・タイプと呼ばれる500クルシュ金貨だ。
普通の大型金貨よりマツコ・デラックスのように、遥かに幅広なことで知られる。
直径48ミリもあるから見映えも良く、このシリーズは1901年から発行が開始された。
数字はアラビア語だが、在位年数や年号、それに額面ぐらいは直ぐに覚えられる。ともかく魅力あるコインだ。


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2月8日 トルココイン

やはり経済発展著しいのが、東京と2020年のオリンピックを競ったイスタンブール
つまりトルコである。
この国の景気もまた、上昇の一途をたどってきた。
一例を挙げるとスルタン時代(1922年まで)500クルシュ金貨などが、少しずつ値上がりを見せている。
トルコ人以外もそのイスラム分文様に関心が集まり、ヨーロッパなどのオークションで値上がり傾向が生じてきた。

トルコ500クルシュ金貨 治世7年 1915年

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2014年1月31日 ナポレオンとマリールイズ

 マリー・ルイーズはパルマに赴いた1815年から貨幣発行が始まる。
奇しくもナポレオンの百日天下と年号が重なる。
私は5年近く結婚していた二人が、この年にあまりにも明暗のはっきりしたことに興味を抱いている。
彼らのこの年のコインの主たるもの――20フラン金貨と20リレ金貨(40リレも可)、
5フラン銀貨と5リレ銀貨、2フラン銀貨と2リレ銀貨、という対比コレクションも面白いと思う。

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